よけーなもんはとらげときねー

岡山に住む20代のミニマムな生活を目指す男の暇つぶし。

シンプルな生活に近づく3つのクエスト

 しかしながら僕はまだ物が多い。バックパックで引越しを考えているが、それを実行するためには途方もない期間が必要だ。

 なのでまずは、ミニマムな生活の前にシンプルな生活に近づくためにはどうするべきか、考えてみる。(僕の中でシンプルな生活よりもミニマムな生活の方がストイックで病的で変態的だと思っている。)

  この、題して「シンプルライフファンタジー」をクリアするためには3つのクエストを攻略することだと、僕は考える。

 

クエスト1.捨てる

 さて、なんと言ってもこれがなければ始まらない。「捨てる」という動作だ。

「捨てる」という動作はいとも簡単に思えるが、それが意外と難しい。コンビニ弁当の容器とか鼻をかんだティッシュペーパーとかであれば何の未練もなく捨てることが出来るが、これが書類系や雑貨屋さんで買った便利グッズなんかだと難易度がぐっと上がる。さらに思い出の品やお土産の品ではその難易度は一気に「ハード」から「マニアック」に上がってしまう。攻略はなかなか難しく、相当の猛者でなければ最初のステージで即死確実だ。

 だからこの「捨てる」という動作をイージーモードから初めていくことをおすすめする。

 イージーモードでのザコ敵は食べかすや汚れを拭いたティッシュなどの「単純なゴミ」だ。そしてボスは恐らく「少し値が張った愛着のない雑貨や衣類」ではないだろうか。

 次にノーマルモードでのザコ敵は「あまり気に入っていないぬいぐるみや雑貨類」、ボスは「雑貨類を飾るためにニトリで購入した棚や不要な書類関係」だ。

 そしてハードモード、ザコ敵は「半年以上着ていない洋服やあまり気に入っていない家具類」、ボスは「高かったけど使っていない家具や雑貨、もしくは高かったけど着ていない洋服」だ。

 さぁいよいよマニアックモード、ザコ敵は「3ヶ月以上着ていない洋服やあまり思い出はないけどどこか捨てきれない学生時代の思い出の品、大きな家具類」、そしてボスは「甘酸っぱく青春の匂い溢れる思い出の品や友人、家族からのお土産の品」だ。

 さらに続編「ミニマリストクエスト」があるが、これはまたレベルが格段と上がるであろう。

 

 クエスト2.選ぶ

 1では「捨てる」という動作だったが、2で「選ぶ」とかどういうことか。普通は最初に「選ぶ」そしていらない物を「捨てる」という順番であると思うが、そこは違う。僕はとりあえず直感でいらないと思ったものは「捨てる」べき、その後残った物から捨ててもいい物を「選ぶ」という形が好ましいと思う。

 人の直感はきっと、自分の生命や生活に支障が出ないように咄嗟に判断できる、と考えている。ならば自分の直感を信じて捨てることができれば、生命や生活に困ることは起きにくいと思うだが、どうだろう。

 そして直感で残した物たちを冷静に選び判断することで、さらに残った物たちの使い方や自分の傍に置いておく意味がわかるのではないか、と思う。

 

 クエスト3.物と親友になる

 またオカシなことを言う。意思を持たない物質と友達になれるはずがない。いや、まぁそうなのだが、知人にこんな人がいる。

 「あ、今日はご機嫌斜めなんだね。ゆっくり休んだほうがいいよ」

 書類を印刷していたが中国製のプリンターがヴィーン、ガシッガシッと音を立てて、急に印刷を停止した。紙詰まりかと思ったがそうではないようで何やらその人はガチャガチャとすっかり動かなくなったプリンターをいじっている。

 物に話しかける人を初めてみた。動物や植物など、命あるものに語りかける人は見たことあるのだが、物、ましてやプリンターに話しかける人がいるのか、と衝撃を受けた。

 どうしたんですか?と訊くと

 「んー、この子最近働きっぱなしだったからね。疲れたみたいで、拗ねちゃったんよ」

 なんてことだ。プリンターは、いや、中国出身のプリンターのプリ子ちゃん(女性かどうかわからないが、なんとなく女性だと仮定)は、日本に出稼ぎにきたのは良いがあまりに健気に頑張りすぎてしまい、疲れやストレスが蓄積、ついには自分がなぜ日本で働いているのか、なぜこんなにもつらいのかわからなくなってしまい、拗ねてしまったのだ。

 なんて真面目で頑張り屋さんな子なんだ。もう頑張らなくていいよ。すこし休んだらいいから。大変だね。困ったらなんでも相談してね。

 思わずそう語りかけてしまいそうだ。

 この知人のプリ子ちゃんだけでなく、周りを見ていると意外と物をまるで生きているかのように大切にしている人は多い。このように物に執着心や信頼、愛情を感じるということはそれほどその物を必要としており、すでにその人の生活にはなくてはならない存在となっているということである。

 

 自分に不要な物は捨て、自分に必要な物を選び、そして親友になる。

この3点を意識して行えば「シンプルライフファンタジー」は十分に楽しめ、クリア出来るのではないだろうか。

 さぁまずはチュートリアルとしてお近くのパソコン、もしくはスマートフォンに話かけてみてはいかがでしょうか?もしかしたら返事があるかも?

 よーし、早速僕も!「あ、初めまして、こめたと申しますぅ・・」

 ピピッ 「すみません、うまく聞き取れませんでした。」